「日本語で話しかけても、英語で返ってくる」
- Haruka Watanabe

- 6 時間前
- 読了時間: 4分

こちらが話しかける日本語は理解出来ているけれど返事は現地の言葉…
「日本語分かるんだから日本語で返事して!」
と強く言ってしまい、本人は嫌な顔…
これは本当によく聞くお悩みです。
「私が話している日本語は理解できているんだから、会話も日本語でしてほしい」
「返事はいつも現地語。私が日本語で話しかけ続ける意味はあるのかしら」
と悩んでいる親御さんは少なくないはずです。
まず、声を大にしてお伝えしたいのは、子どもが日本語で返事をしてくれなくても、
日本語での語りかけをやめないでほしい、ということです。
語り掛けられる日本語の理解ができていたとしても
【聞いて分かる事】と【自分で日本語を話す事】の間には、かなり大きな壁があります。
【分かる日本語】と【話せる日本語】は、同じようには増えていきません。
バイリンガルの子どもでは、二つの言語を使う場面が異なるため、ある一つの言語だけを見ると、【分かるけれど話さない】という状態が目立つことがあります。
例えば、
· 学校では英語
· 友達とは英語
· お父さんとは英語
· お母さんとは日本語
· 日本の祖父母とは日本語
という環境だったとします。
すると子どもの頭の中では、
【日本語を聞いて理解する経験】はたくさんある一方で、
【日本語を自分から使って会話する機会】は、現地語に比べると限定されがちです。
しかも子どもは、自分にとって一番使いやすく、相手に伝わりやすい言葉を選んで話します。学校で英語を使っているなら、遊びたいときも、友達に何か伝えたいときも、英語が最も使いやすい。
だから、日本語が分からないから英語を使うとは限らず、
日本語も分かるけれど、英語のほうが簡単だから英語を使う
ということが起こります。
なので日本語育児では、
「分かっているのに話さない」=「身についていない」ではない
という視点がかなり大切だと思います。
しかし、アウトプットを増やしたいからといって、
「これ、日本語で何て言う?」
「日本語で言ってみて」
「ほら、○○って言って」
と、毎回テストのようにする必要はありません。
むしろこれでは
「言いたくないのに言わされる」
「毎回直されてウザイ」
というように日本語に対して嫌なイメージが付きかねません。
子どもが言いたいことを、日本語で言えるように「手助けする」という考え方が大事です。
例えば子供が
「I want to drink some water.」
と言ってきたら、
「水が飲みたいんだね」
と、まず子供が言った文(言葉)を訳し、日本語のお手本を示します。
これを繰り返していくことで、
【言いたいこと】と【日本語の表現】が結びつく機会を増やせます。
もし子供が
「みず!」
と単語だけ言ったなら
「水が飲みたいんだね」
と、正しい文章にして繰り返します。
ただお手本を見せたあと、繰り返しを強要しないでください。
強要してしまうと、【日本語=言わされるもの】【間違えると直されるもの】という印象になり【日本語嫌い】につながりかねないからです。
お手本を聞いて子どもが自分から繰り返したら、
「そうそう!水が飲みたいんだね」
と喜びましょう。
でも言わなかったら、そのまま会話を続ける。これで十分です。
言わせるのではなく、子どもが自主的に言いたくなるようにもっていくのはどうすればいいのか、発語の促し方をテーマにした【日本語のアウトプットを増やすには?】というコラムもありますのでぜひチェックしてみてください。
① 聞いて、意味が分かる
↓
② 聞いた言葉が頭の中に蓄積される
↓
③ 言いたいことと、日本語の表現が結びつく
↓
④ 日本語として口から出てくる
この④に達するのは実はとても難しいことで時間がとってもかかります。
子どもが日本語で返事をしてくれないと、
「私の日本語の話しかけは意味がないのかな」
と不安になることもあると思います。
でも、子どもが日本語で返事をしなかったからといって、
今まで聞いた日本語が消えてしまうわけではありません。
今日聞いた「水が飲みたい」。
昨日聞いた「靴を履こう」。
何度も聞いてきた「おいしいね」。
そんな一つひとつの言葉は、子どもの中に少しずつ積み重なっています。
そして、ある日ふと、その言葉が子どもの口から出てくるかもしれません。
「分かっているのに、まだ言わない、、、」
その時間も、日本語を育てている大切な時間です。
日本語で返事をしてくれない日があっても、決して「何も身についていない日」ではありません。
言葉は、聞いたその日に出てくるとは限らない。
子どもの中で育っている時間を信じて、
今日もいつものように日本語で話しかけてみましょう。


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